長唄
寿ことぶき
作詞者・作曲者不詳

鶴亀・常盤の松竹・相生と、めでたい言葉だけを連ねた短い祝儀曲。夫婦の長寿と繁栄を寿ぐ。
あらすじ
寿の、鶴と亀との齢を経て——変わらぬ色は常盤なる松と竹。その末までかけて、契りも深い相生の、栄え久しい共白髪であることよ。
詞章と現代語訳
ことぶきの、鶴と亀との齢経て
めでたい寿の——鶴は千年、亀は万年という、その齢を経て。
変はらぬ色は常盤なる
いつまでも変わらぬ色は、常盤の——。
松と竹との末かけて、契りも深き相生の
松と竹。その末までかけて、契りも深い相生の——。
栄久しき共白髪
栄えの久しい、共白髪であることよ。
この曲は詞章の出典が他と異なる。純邦楽詞章集に立項がないため、「俺の日本舞踊」の演目解説ページ(https://oreno-nihonbuyou.com/kotobuki/)に掲げられた本文により、本文の仮名遣いは同資料の表記に従っている。
夫婦の長寿と繁栄を願う祝儀曲。短いながら、めでたい言葉ばかりで組み立てられている。婚礼や賀の席にふさわしい。
「鶴は千年、亀は万年」により、鶴亀はともに長寿の象徴。
「常盤」はもと永久不変の岩をいい、転じて時を経ても変わらないものをあらわす。松と竹は冬にも緑を保つことから繁栄の象徴とされ、冬に花を開く梅を加えて松竹梅となる。
「相生」は二本の木が同じ根から生えること。転じて、長年連れ添う夫婦をいう。「共白髪」はともに白髪になるまで添い遂げること。
作詞者・作曲者・初演年は不詳。流儀・稽古本によって字句にも異同があるため、演奏の際はお手元の稽古本と照合されたい。